全日本吹奏楽コンクール:大会の仕組み(地区大会編)
吹奏楽部の大会とは全日本吹奏楽コンクールのことを指します。
野球でいえば甲子園である、日本最大のコンサートです。
この情報すらインターネットにあまりないのがおかしいんだけどw
まず、吹奏楽コンクールというのは地方大会から始まります。
これは野球でいう県大会ではなくて、県を割って演奏会をします。これに勝たないと、県大会に出られません。
えっ?大会って普通、県で一位を決めるんでしょ?
はいその通りです。体育系はそうなんです。
が、吹奏楽コンクールは、まず県大会に出る団体の予選というのがあります。
なぜこんなことをするのかというと、吹奏楽部というのは各学校に必ずある部活であり、かつ実力を評価するには演奏をしなければならないからです。
吹奏楽の評価というのは、課題曲と自由曲の二つを時間内に演奏し、作曲家やお偉いに採点されるという仕組みになっています。
どんな田舎県でも、分校や少数校も含めると、学校の数は膨大になります。
吹奏楽部は、どんな学校にも絶対にあります。野球やサッカーがなくても吹奏楽だけはあります。
つまり、たとえ部員10名15名の学校(Cクラス校)であっても、教育目的ですから地方大会には出場するわけです。
ですから県大会の前に、すごく大雑把に地方大会というのがあります。
優良校は、県大会に出場できません。
この優良というのは、小さい学校(あまりに下手な学校)しか受賞しません。
地区大会というのは、すごく荒いフルイにかけるようなもので、一般的には優秀をもらえます。
Aクラスは、出場すれば全団体優秀、Bクラスもほとんどが優秀を貰えます。
Cクラスの一部が優良です。
つまり吹奏楽の地区大会というのは、県大会の予備予選以下であり、実際には分校や小規模校を落とすためだけの大会だといえます。アリバイ作りのような大会だと言えるでしょう。
県下全ての団体が県大会で演奏したら、大会日程が2週間!等になってしまうので、それを避けるために地区大会で小規模校(特にBCクラス)を落とし、県大会の日程を中高で4日以内にするためのものです。
ですから、県で中堅以上の団体はまともに演奏もしなかったり、上級生は吹いてるフリをしたり、下手な演奏をしたりします。
県大会の前に手の内を見せたくない団体は、特に酷い演奏をします(Aクラスのみ)
地区大会においては、どれほどひどい演奏をしても優秀を貰えるので、(わたしの経験では)いつも演奏後に特大の雷が落ちてました。
たとえば中学二年生の親御さんなら、はじめての公式舞台(全日本吹奏楽主催なのだ)でしょうが、正直地区大会の演奏は酷いものです。少しでも音楽を知っているひとなら、聞くに堪えない場合もあります。
有名な学校でも、地区大会はメチャクチャな演奏をすることが良くあります。
県大会の日程調整のため、弱小校に優良という賞状を渡すのが、全日本吹奏楽コンクールの地区大会です。これは仕方ないですし、私は賛成です。
ただ、わたしも現役の時に気づかなかったのですが、「どこかの分校の吹奏楽部部員」にとっては最初で最後のステージです。
彼らにとっては、それはかけがえのない時間なハズです。
大多数の「優秀部員」は気づかないことでしょう。わたしも地方大会などほとんど記憶にありません。しかし、年を取ると、ああバカなことをしたなと思います。
地方大会Cクラスの優良。これは吹奏楽で一番下なのですが、それがなんだというのでしょう。同じ時代、同じ世代、しかも同じ県で、一緒に切磋琢磨した仲間です。
それを上手い下手と評論していた自分が、いまはとても恥ずかしく思っています。