吹奏楽部に入部したい? 親子のための読み物ブログ

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全日本吹奏楽コンクール:大会の仕組み(県大会:都道府県大会)

 

全日本吹奏楽コンクール都道府県大会というのは、吹奏楽部員にとってほとんどが、甘酸っぱい青春の終わりを告げる大会です。

 

甲子園を目指す野球部がそうであるように、県一位を決める大会だからです。

県大会一位というのは地元の王者です。

 

とはいえ、吹奏楽部にはABCとクラスがあり、これは厳密に区別されています。

Bクラス一位はもっとも激戦区であり、田舎県でもラッキーで取れるものではありません。吹奏楽部は採点競技であり、過去の実績や校名は大いにモノをいいます。

ただ県大会までは、吹奏楽界で飛び交う不自然な採点とは無縁であり、おおよそ実力通りに順位が決まるようです。

 

採点は都道府県の吹奏楽連盟に一任されており、県によってはかなり不透明なようです。
(わたしの県では記名公開採点で、会場に点数が貼ってありました。いま思えば凄く令和的で、嘘のない採点をしてくれてましたね・・・他県は非公開がほとんどだったようです)

 

都道府県大会というのは、ほとんどの団体において、青春の終わりを告げる大会です。

何千人もの女子中高生が、ギャン泣きする姿を見られるのは、吹奏楽の県大会でしょう。

 

いわば、甲子園を夢見ていた高校球児を県下全員集めて「お前ら行けないから」と宣告しているようなものです。

 

いまは大会規定が緩くなって、県代表が3団体、4団体と選ばれることがあるそうですが、吹奏楽大会の基本はなにも変わりありません。

当然県一位、それもできれば全審査員1をつけた、名実共に最強団体。
聴衆がシーンとなってから割れんばかりの大拍手!という団体でなければ、全国で戦えません。A,Bクラスの一位団体だけが笑えるのが県大会です。

 

次の大会に進んでも、県一位の団体以外は、聴衆はほとんど相手にしません。二位以下は、思い出代打のようなものです。全国に進んだ団体は、おそらく無いんじゃないでしょうか。(あったら教えてください)

 

 

吹奏楽大会の表彰というのは、かなり変わっています。

一般の人は、教えてもらわないと分かりません。

 

 

銅賞

銀賞

金賞

ゴールド金賞

 

この四つです。まず銅賞というのは参加賞です。下位の大会で成績が悪い団体、または本番の演奏がひどかった団体、大会の格からして実力不足の団体が受賞します。

銅賞の演奏というのはかなりコンディションが悪いか、ラッキーで上に上がってきた団体です。大会でも銅賞というのは数団体しか受賞しません。銀賞貰えなかったというのは明らかに実力不足で、演奏した人がよく分かっている、自覚があるといったことが多いようです。

 

銀賞は悪くありません。採点者の半数以上の票を超えないと受賞させない場合もあるからです。最も多く受賞する賞ではありますが、銅賞ではないのは大きい意味を持ちます。大会においては半分以上が銀賞です。

 

金賞というのは、銀賞以上に上手かったという賞です。金賞のことをダメ金といいます。

 

たとえば上位大会にいける枠が2つあったとして、あなたの団体が3番目だったら金賞になります。ダメ金です。

 

ダメ金というのは、金賞なんですけど、上位の大会には進めません。

敢闘賞、三位くらいの団体の名誉賞です。

金賞・・・ダメ金というのは、ある意味凄くモヤモヤする賞です。

わたしはダメ金を受賞したことがないのですが、採点競技である以上、なんで?という疑問をもったまま吹奏楽を引退するのは察して余りあります。

(それもひとりじゃなくて何十人ですからね・・?それが毎年毎年あるわけです。全国でいえば千人単位ということになります)

 

ゴールド金賞というのは、吹奏楽コンクール公式大会において、上位の大会の出場権を得たことを指します。

 

表彰式で、司会がタンタンと、「ナントカ校・・・銀賞・・・ナントカ校・・・銅賞・・・・」という中で、「ナントカ校・・・・ゴールド金賞!!」というと、会場の一部が立ち上がり、飛び跳ねて大絶叫します。

 

特に県大会では、周辺がお通夜状態のなかで、ギャアギャアと喜びを爆発させることができるのは、限られた団体しかありません。

 

このゴールド金賞というのも格付けがあるんですが、表彰式ではわかりません。

しかし内諾で一位ゴールド金賞、二位ゴールド金賞というのは知らされます。

ものすっごく日本的です!!

 

二位以下の場合、次の大会には出場できますが、まず銅賞、よくて銀賞。

希望を持てるのは一位ゴールド金賞だけです。

 

どんなちいさな県でも、学校はそれなりにあります。その全てに吹奏楽はあるといっていいでしょう。

 

その頂点を決める県大会。これについてはまた書きたいと思います。